「不安」をなくして体調を整える方法【原因は文明病】

健康
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現代社会を生きるみなさんの多くが抱える、日頃からなんとなく体調が優れない「謎の体調不良」の正体とは何なのか。
そしてこの「謎の体調不良」を引き起こしている原因とはいったい何なのか…。

実は体内の「炎症」を取り除くだけでは、この「謎の体調不良」の正体である「文明病」完全に取り除くことはできないのです!

今回は、鈴木祐さんの著書
『最高の体調 ACTIVE HEALTH』
の中から、みなさんを悩ませる原因がよくわからない「謎の体調不良」を解消する方法を紹介します。

この本では、原因がよくわからない「謎の体調不良」の正体は、現代人に特有な「文明病」であると説明した上で、その対処法として

  • 人生の価値観を見直す
  • 死への不安を利用する
  • 遊びの要素を取り入れる

というメンタルヘルスに対する3つのアプローチを教えてくれています。

普段の生活に簡単に取り入れられるものから、「人生の価値観を見つめ直す」といった壮大なテーマのものも含まれています。
できそうなものから実践して、「最高の体調」を取り戻していきましょう!


*この記事は、書籍の内容を紹介するものであって、個別の項目に関する健康効果を保証するものではありません。

現代人の体調不良の原因は「文明病」だった!

みなさんを悩ませている「謎の体調不良」の正体とは、「文明病」という症状です。

*「文明病」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

「文明病」は、「人類の進化」「現代の環境」との間の“ミスマッチ”が、現代人の身体に様々な悪影響を与えた結果として引き起こされてしまいます。 

そしてこの“ミスマッチ”によって生じる2つの悪影響のうちの1つが、現代人の身体の中で起こっている「炎症」であり、もう1つが、現代人が抱えている「ぼんやりとした不安」だったのです。

「ぼんやりとした不安」は現代人を苦しめる

本来、「不安」とは危険を知らせるアラームとしての役割を担っていました。
石器時代の狩猟採集生活では現代と異なり、

  • 猛獣
  • 感染症
  • 寄生虫

などといった「目の前に迫った危険なもの」に多くさらされます。
こうした生活では、目の前の「危険なもの」に対処して生き延びていくためには「不安」というアラーム機能必要不可欠だったのです。

ところが人類は、「農耕」の文化を手に入れたことで、「目の前」「いま現在」という感覚のほかに、新たに「未来」という感覚を持つようになりました。
農作物を育てて収穫するためには、「収穫」という未来を描いて畑を耕したり、種を巻いたり、水をやったりする必要があるからです。

そしてこの「未来」という感覚の出現は同時に、「未来の自分」と「現在の自分」との距離も生みました。

  • 未来の自分
  • 現在の自分

この二つは距離が離れれば離れるほど、人間は「ぼんやりとした不安」を抱いてしまうのです。

狩猟採集をしていた時は「目の前に迫った危険」に対して働く「不安」だけで生きていくことができました。
しかし現代人は違います。
現代人は、未来の自分に対する

  • 「いつか体調を崩すのではないか」
  • 「いつかお金がなくなってしまうのではないか」
  • 「いつか大地震が起きて家がなくなるのではないか」

といった「起こるかもしれないし起こらないかもしれないことに対する不安」つまり「ぼんやりとした不安」を抱くようになってしまったのです。

この「いつか悪いことが起こってしまうかもしれない」という「ぼんやりとした不安」は、脳のパフォーマンスと生活の質を著しく低下させることがわかっています。
慢性的な不安は、

  • 記憶力の低下
  • 理性的な判断力の低下
  • うつ病などの精神疾患
  • 心疾患や脳卒中

などの原因になるのです。
「ぼんやりとした不安」は現代人を苦しめ、ひどい場合は死期を早めることにつながってしまいます。

「ぼんやりとした不安」を取り除いて「文明病」を克服しよう

誰もが無数に抱えている「不安の種」そのものは消すことができません。

  • 仕事の不安
  • 貯金の不安
  • 健康の不安

なんかは、「不安に思うな!」と言われても無理でしょう…。

しかし、これらに対する「ぼんやりとした不安」は、実は減らしてあげることはできるのです!
大きく3つのアプローチに分けて、その方法を紹介していきます。

人生の価値観を見直す

まず1つめが「人生の価値観」に対するアプローチです。

先ほど、「未来の自分」と「現在の自分」の二つの距離が離れてしまうほど、「ぼんやりとした不安」を抱いてしまうと説明しました。
これは逆を言えば、「未来の自分」と「現在の自分」との距離を近づけてあげることで、「ぼんやりとした不安」を抱きづらくなるということでもあります。

ではいったい、「未来の自分」と「現在の自分」との距離を近づけるためにはどうすればいいでしょうか?
そのためには、「人生における価値観を定める」ことが必要なのです。
人生の目標とも言える「価値観」を定めることによって、その価値に沿って生きていくことができるようになります。

結果として、「目標としての未来の自分」と、「それに向かって生きている現在の自分」距離が近づくことにつながって、日々の悩みやぼんやりとした不安というものが少なくなっていくのです。

「人生全体」から価値観を考える

① パーソナルバリューリストをつくる

「価値評定スケール」のリストを参考にして、もっとも自分にしっくりくる価値観を選択し、重要度が高いものから順番にランク付けをしたパーソナルバリューリストを作りましょう。
深く考えすぎないようにして、10分くらいの短い時間で直感的に選んでください。

 

② 価値評定スケールに自分の行動を書き込む

パーソナルバリューリストでランク付けした「価値評定スケール」の各項目に対して、自分がどのように行動したいかを1〜2行の短い文章で書き込みましょう。
こちらは最低でも2時間くらいかけて取り組みます。
最初から明確にできないことも多いので、1ヶ月おきに見直すようにしましょう。
(例:【キャリア】困っている人の役に立つ仕事をし、その仕事を通じて自分自身も成長する…など)

*価値評定スケールについては、こちらの記事も参考にしてください。

「個別のプロジェクト」から価値観を考える

① パーソナルプロジェクト分析を行う

「いま自分が取り組んでいるプロジェクト」について分析する、「パーソナルプロジェクト分析」を行って価値観を定めましょう。
この際、「上位プロジェクト分析」もあわせて行うようにして、必ず5段目より上まで追い込んで、最終的な価値観を定めましょう。

 

② 上位プロジェクト分析を応用する

仕事に対するモチベーションが上がらない場合も、上位プロジェクト分析の方法が使えます。
実際の仕事の内容を出発点にして、「この作業は何のためにしているのか?」という質問を繰り返して5段目より上まで書き出しましょう。

*パーソナルプロジェクト分析、上位プロジェクト分析については、こちらの記事も参考にしてください。

死への不安を利用する

つぎは「死への不安」に対するアプローチです。

現代人が抱くようになった「ぼんやりとした不安」の中でも、誰もが感じているものと言えば「死への不安」ではないでしょうか。
人間であれば誰しも、いつかは死んでしまいます
不安というよりむしろ、100%の事実として存在しているこの「死」に対しては、不安を感じない人は少ないでしょう。

しかしこの「死への不安」は、うまく利用することによって「普段から抱いているぼんやりとした不安」を減らすことにつながるのです。

「畏敬」の感情を抱く機会を増やす

「畏敬」とは、自然や芸術、偉人などといった「なにか自分の理解を超えるような対象」に触れた際に湧き上がる、鳥肌が立つような感情です。

「畏敬」の感情を抱くことで、自分自身も自然や宇宙などどいった大きな存在の一部にしかすぎないということを認識し、死への不安を和らげることにつながります。

また、「畏敬」の感情を抱くことによって体内の炎症レベルが下がるという研究もあるようです。

 

① 自然に触れる

アウトドアの回数を増やしたり、壮大な自然の映像や写真を見たり、宇宙論や数学の美しさを描いた教科書などの書物に触れてみましょう。

 

② 芸術に触れる

定期的に美術館へ出かけたり、美術書に触れてみたりしましょう。
自分にとって心地よい作品だけでなく、自分の世界観に衝撃を与えるものや、理解するのが難しいような作品を選ぶのがコツです。

 

③ カリスマに触れる

思わず感嘆してしまうような人物をひとり選び、その人の人生を掘り下げてみましょう。
自分の心が動くような人物であれば畏敬の対象になるので、そのような人物であるなら親戚や周囲の人でも構いません。

「自己観察」をする

マインドフルネスに代表される瞑想などを通じて「自己観察」することも、死への不安を和らげることにつながります。
「自己観察が人生の苦しみを消すという一連の流れ」については、実は科学的な根拠は判然としていません
しかし、「自己観察という方法そのものにはメリットがある」ということは広く認められているようです。

ここで重要なのは、「ただただ瞑想していれば不安がなくなる」ということではありません
「マインドフルネスな意識を通じて自己観察をすることによって、不安が和らいでいく」ということが重要なのです。
マインドフルネスな意識とは、

  • いまの状況に集中できる
  • その時の感情を自覚している

という状態を意味します。
この状態を通して「自己観察」をすることによって、不安が和らいでいくのです。

 

① マインドフルネスによる自己観察の感覚をつかむ

リラックスして目を閉じ

  1. 目の前に大きなトラのイメージを浮かべる
  2. トラのイメージを変化させようとせず、ただ観察する

というステップを試します。
慣れないうちは、トラが勝手にうろつき始めて消えてしまいますが、これを続けていると、最終的には「勝手に動き出すイメージを見つめる感覚」がつかめるようになります。
この感覚が「マインドフルネス」の感覚と同じものです。

 

② 日常をマインドフルネスの場にする

日常的な家事をひとつ選んで、ただひたすらにその作業に集中するように意識しましょう。
最低でも1日に5分ずつ、8週間は続けてみてください。
また、家事だけでなく食事の時間に行う「マインドフルイーティング」も効果的です。
「ながら食い」をやめて、いつもより2倍の時間をかけて食事を味わってみましょう

遊びの要素を取り入れる

最後は「遊び心」に対するアプローチです。

狩猟採集民の多くは、日常の仕事=遊びと考えています。
この狩猟採集民にとっての遊び(日常の仕事)は、ルールがシンプルでフィードバックが速いのが特徴です。
「狩り」という遊びであれば、「獲物を仕留める」というルールがあって、「獲物が手に入ったかどうか」という結果によるフィードバックを即座に得ることができます。

このような狩猟採集民の「遊び心」を、現代人の日常の仕事にも取り入れることができれば、「ぼんやりとした不安」を解消することができます。

現代人が「遊び心」を忘れないようにするためには、「狩猟採集民の遊び」と同じように、日常の仕事に対する「シンプルなルール設定」と「迅速なフィードバック化」を行うことが必要になってきます。

ルール設定をする

① 下位プロジェクト診断を行う

人生を「遊び化」するためにはまず、「下位プロジェクト診断」を行いましょう。
価値観やコアプロジェクトを細かく分解して、「これなら今日すぐにでも始められそう」と思えるレベルにまで落とし込みましょう。

 

② インターバルを設定する

下位プロジェクトがわかったら、そのタスクを行うための自分に最適な作業時間を決めましょう。
このとき、現在と未来の心理的距離が遠いか近いかによって、時間の刻み方を変えてみます
(例:遠い場合→作業25分、休憩5分 近い場合→作業50分、休憩10分など…)

 

③ 3のルールを導入する

下位プロジェクトは「3のルール」に従って行いましょう。
その日にやるべきタスクを3つ書き出して、目に入る場所に置いておきます
その際、デジタルデバイスを使うよりも紙に書き出したほうが効果的です。

 

④ イフゼンプランニングで運用する

「3のルール」で設定したタスクは、「イフゼンプランニング」のフォーマットに落とし込んで運用します。
そのためにも、タスクをリストアップした紙はいつも目の前に置いておきましょう

*下位プロジェクト診断、3のルール、イフゼンプランニングについては、こちらの記事も参考にしてください。

フィードバック化

① 作業をトラッキングする

人間は、意味のない報酬であってもモチベーションが上がるという性質があります。
簡単なフィードバックの1つとして、特定のタスクが終わったら、必ず記録を残すようにしましょう。
カレンダーに印やシールをつけたり、スマホのアプリを使ったりするだけでも効果があります。

② アカウンタビリティーチャートを導入する

普通のトラッキングに慣れてきたら、アカウンタビリティーチャートを導入しましょう。
その際は、専用のノートを使用したほうが効果は高くなります。

③ メタ認知によるフィードバック化

より高みを目指したい人は、「メタ認知」によるフィードバック化を行いましょう。
メタ認知とは、「思考について考える」という一段上の認知機能のことを言います。
週に1回、「メタ認知の質問」を自分にぶつけるようにしてみてください。

*アカウンタビリティーチャート、メタ認知の質問については、こちらの記事も参考にしてください。

おわりに

現代人を悩ませる、「文明病」の原因の1つが、現代人が抱えている「ぼんやりとした不安」でした。
現代人が抱えている「ぼんやりとした不安」を解消して、「文明病」を克服するためには、

  1. 人生の価値観を見直す
  2. 死への不安を利用する
  3. 遊びの要素を取り入れる

という3つの方向からのアプローチが効果的です。

自然に触れたり、日常でマインドフルネスを実践したりと、生活習慣に取り入れやすいものもあれば、価値評定スケールメタ認知など、少しとっつきにくいものもあったかと思います。
ですが、これらのとっつきにくい手法は「謎の体調不良」に悩まされている人だけでなく、「人生の意味を見いだせない」といった漠然とした悩みを持っている人が実践しても効果がある方法とも言えるでしょう。

ぜひ、時間のあるときに実践してみてください。
きっと「人生の質」が上がるに違いありません。

また、今回の参考書籍
『最高の体調 ACTIVE HEALTH』
では、「文明病」と「不安」が僕たちの身体に与える影響について、さまざまな研究結果をもとにしてさらに踏み込んだ内容が書かれています。

「文明病」をもっとよく知って向き合って「最高の体調を手に入れたい!」という方は、ぜひ読んでみてください!

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